
DAOって最近よく聞くけど、仕組みがイマイチわからないな…。
そもそもDAOってなんなの?
こんな疑問にお答えします。
2020年頃から日本国内でもDAOが大きなトレンドとなっています。
しかし実際の仕組みや特徴について、まだ一般に認知されていないのが現状ですので、今回は解説記事を作成しました。

この記事を読み終えると、
DAO(分散型自律組織)についてわかりやすく理解できますよ。
(ちなみにDAOは「ダオ」と読みます)
- DAO(分散型自律組織)の特徴と仕組み
- DAOの課題と今後の将来性
- DAOへの参加方法
DAO(分散型自律組織)とは?

DAOとは、「分散型自律組織(Decentralized Autonomous Organization)」の略で、Ethereum(イーサリアム)上でブロックチェーンの技術を利用して活動する、共通の目的を持ったひとびとのコミュニティ(組織)のことを指します。
DAOという言葉を分解すると、
- Decentralized=分散型
- Autonomous=自律
- Organization=組織
となります。
DAOでは特定の管理者が存在せず、参加者各自が裁量権を持ちます。
DAOをわかりやすく例えるなら、社長のいない会社、リーダーのいないチームのようなものです。
DAOと従来の会社組織を比較してみました。
すでにDAOの形態は多岐に渡っており、
- 投資などの金融分野で稼働するDAO
- ゲームを主に扱うDAO
- NFTを扱うDAO
- 寄付などチャリティー活動をするDAO
- 労働組合のDAO
- 政治活動のDAO
など様々なDAOが誕生しています。
DAO(分散型自律組織)の特徴と定義

DAOの特徴と定義にはいくつかのキーワードがあります。
分散型(民主的な組織とブロックチェーン)
DAOの意思決定は従来の会社のように社長やCEOが実行するのではなく、集団で共同で行います。
通常の会社組織は階層構造になっており、下層の従業員が上層部に対して自由に意見をすることは難しい場面が多いのではないでしょうか?
DAOでは権力、裁量権が分散されており、国籍・年齢などのあらゆる制限がなく、誰もが自由にアイディアを提案できるので、アイディアや意欲の「機会損失」がありません。
DAOのメンバーシップに参加するためには、参加したいDAOが発行するトークンを得る必要があります。
トークンを所有することでDAOの意思決定の際の投票権、DAOで得た利益の分配を享受できる権利を得ることができます。
またトークンそのものが市場で売買できるため、価値の上昇に期待することもできます。
このトークンがDAOの肝でして、参加者はDAOに貢献すればするほど、さらにトークンを得ることができる仕組みになっており、これにより参加者のさらなるDAOへの貢献を促進し、DAOの発展を促します。
DAOではだれもが自由に提案できて、だれもが投票できるので、いわば完全な実力主義かつ民主主義的で経済効率的な組織をつくることができます。
またDAOを実現させているブロックチェーンは、世界中の何千ものコンピューターによって分散して管理されていて、それぞれが互いに監視しあう仕組みです。
仮に1台が不正をしようとすれば、他のすべてのコンピューターがそれを拒否し、阻止します。
DAOはブロックチェーンの分散型のメリットを最大限に活かした活動なのです。
自律(コードによって自動化されている)
DAOの定義として、スマートコントラクトで自動化されたものである必要があります。
DAOでは「人」ではなく「コード」が組織運営をします。
DAOはスマートコントラクトによって雇用や報酬の分配などあらゆる問題を自律で解決・実行します。
スマートコントラクトが稼働する限り、たとえ開発者であっても投票以外では誰もコードを改変することはできませんし、いかなる改ざんもできません。
またトークンを持った参加者の投票によって意思決定がなされますが、投票後の集計と実行はスマートコントラクトによって適確に履行されます。
DAO(分散型自律組織)の仕組み

スマートコントラクト
スマートコントラクトは、ブロックチェーン上に保存された自動実行型のコードであり、DAOの自律を担っている技術です。
あらかじめ設定されたコード(ルール)に従って、ブロックチェーン上の取引や、外部から入力された情報をきっかけに自動的に実行されます。
スマートコントラクトの有名な例えが「自動販売機」でして、
- ユーザーが自動販売機にお金を投入・商品を選択する
- ユーザーが希望する商品を自動で提供する
- 受け取った金額にお釣りがあれば自動で返金する
スマートコントラクトもこのように特定の条件をきっかけに自動的にタスクを実行します。
すべての取引履歴はブロックチェーン上で保存・公開され続けるため、その透明性が高く、スマートコントラクトには改ざんのリスクがありません。
またブロックチェーンによって信頼が担保されているので、第三者の介入なしで匿名のユーザー同士が協働できます。
DAO(分散型自律組織)の具体例

ビットコイン
ビットコイン(BTC)はまさにDAOの代表例です。
サトシ・ナカモト(著者の想像ではおそらく架空の人物)がビットコイン論文を発表したのが2008年。
その後2010年に初めて価値を認められて、1万ビットコインでピザ2枚が買われました(ビットコイン・ピザ・デイ)。
以来特定の管理者を設けず、スマートコントラクトのみで成長を続けてきたビットコインの時価総額は、いまや100兆円近くまで積み上がっています。
この他イーサリアム(ETH)などの暗号資産(仮想通貨)全般はDAOの具体例だといえます。
DAO(分散型自律組織)の課題と今後の将来性

DAOの課題
DAOがつくられるようになってからはまだ歴史が浅く、いくつかの課題があります。
ハッキング
2016年6月、イーサリアムで約360万ETHがハッキングされる事件が起こりました(The DAO事件)。
この事件ではイーサリアムのプログラムには問題がなかったものの、DAOによってはその脆弱性が露呈されることとなりました。
この事件によってDAOは透明性がある反面、悪意ある来訪者の危険に晒されていることが認識されました。
中央集権
多くのDAOは現在、真に「分散型」で「自律」しているとはいえず、まだまだ中央集権的で、旧来のWeb2.0の状態を脱していません。
現在のDAOは一部のユーザーに利益が集中するものがあったり、中央集権の介入があり、完全にプログラムのみで動くDAOではないことは課題です。
投票による意思決定の難しさ
参加者全員の投票によって意思決定されるのがDAOですが、そもそも参加者全員の投票で下された決定が最善であるかどうかがわかりません。
これは【中央集権的な組織からの脱却】というDAOの目標やメリットとは矛盾していますが、「多数決で得た答えが最善の答えであるとは限らない」からです。
DAOの今後の将来性
DAOは将来、特定の企業はおろか現在国や自治体が担っている機能を代替していく可能性があると考えられています。
- 年齢・国籍を問わず、真にグローバルで民主的な活動ができる
- より自由で生産的な仕事ができる
- 公平で公正な利益の分配がなされる
- DAOへの貢献がダイレクトに参加者の報酬となるため、DAOの成長速度が加速度的になる
また単純にDAOに参加することで得られるトークンの価値が、過去のビットコインが辿ったように爆発的な値上がりを見せるかもしれません。
これは単なるインターネット上のイノベーションではない
DAOは17世紀に発祥した東インド会社以来、現在まで続く株式会社に取って代わるイノベーションとして期待されています。
著者自身は今後は従来の会社組織と、DAOが共存するような仕組みになると予想しています。
DAOに適した分野や業務はDAOが担って、従来の会社組織の方が適した仕事は会社が担う。
将来の働き方は、
- DAOに参加する
- 会社に就職する
- 起業する(DAOをつくるor会社をつくる)
この3択で選ぶようになる気がしています。
DAOに参加する

ここまでDAOについて解説してきましたが、DAOをより早く理解するためには実際に参加してみることをおすすめします。
著名なDAO
MakerDAO

MakerDAOは、分散型金融(DeFi)の基礎を築いたDAOとして有名です。
企業や国家といった特定の組織に支配されない資産である、ステーブルコインを世界ではじめてつくりました。
Flamingo DAO

Flamingo DAOは、高額なNFT(非代替性トークン)を集団で購入するDAOです。
NFTを投資対象として資金を持ち寄り、キャピタルゲインを目的として協働しています。
DAOをつくる
Aragon

Aragonは簡単にDAOをつくることのできるプラットフォームサービスです。
ガバナンストークンを発行し、実際にDAOを運営することができます。
はじめに暗号資産(仮想通貨)の口座をつくる
DAOに参加するためには、まずは暗号資産(仮想通貨)取引所で口座をつくる必要があります。
口座開設は簡単で、5分ほどで完了します。
おすすめの取引所はコインチェック です。
- 初心者でも使いやすいデザイン
- スマートフォンアプリでも取引ができる
- 大手ネット証券マネックスグループが運営しているので、セキュリティ面で安心できる
DAO(分散型自律組織)のまとめ
DAOは今後の世界を大きく変えていくイノベーションになりうる、18世紀後半の産業革命並みの変革をもたらすものだと感じています。
クリプトやNFTなどとともにWeb3.0の大きな潮流の軸となるものです。

これからの時代の変革を考えると、
とてもワクワクしますね!