
投資信託とETFって結局どっちがいいの?
こんなお悩みを解決します。
- 投資信託とETF、どちらが初心者におすすめ?
- 投資信託とETFの共通点・違い
- 楽天VTI(投資信託)とVTI(ETF)で投資にかかるコスト比較
- 初心者に投資信託をおすすめする理由

投資初心者のはむちーです。
今日もよろしくお願いします!

よろしくお願いします。
今日もわかりやすい解説を心掛けていくね。
投資信託とETFはどっちがいいの?インデックスファンドのVTIで比較

はじめに結論からお伝えすると、初心者におすすめなのは投資信託です。
理由は以下の3点です。
- 積み立てが楽&お得
- より少額から始められる
- 価格が1日1回しか変わらない
後ほどくわしく深堀りしていきます。
投資信託とETFの共通点

まずは投資信託とETFの共通点から見ていきましょう。
投資家からお金を集めてプロが運用する
投資信託、ETFともに私達投資家からお金を集めて、運用のプロ・専門家が運用する商品です。
投資信託、ETFの商品ごとに投資するものは変わりますが、具体的には株や債券などに投資されます。
株や債券の詰め合わせパック
投資信託・ETFは複数の株や債券が少しずつバランスよく配分されています。
株や債券の詰め合わせパックをイメージするとわかりやすいです。

投資経験が一切不要。プロが優良な会社の株を選んでくれる
どの会社が優良でどの会社がそうではないのかを判断するのは初心者には難しいです。
投資信託、ETFであれば難しい分析はすべてプロがやってくれて、優良な会社をピックアップしてくれます。
例えるなら優良な会社の詰め合わせパックをプロが作ってくれて、
こちらはその詰め合わせパックを買うか買わないかを判断するだけで済みます。

投資経験のない初心者にとって専門的な分析はハードルが高いですが、
投資信託、ETFであればプロの専門家が分析してくれます。
運用はプロにおまかせでほったらかしにできる
投資信託、ETFは運用をプロにおまかせでほったらかしにできます。
自分で個別の株を買うとなると、運用方針も運用方法も自分で決めなければならず、いわゆるメンテナンスの手間がかかりますが、投資信託・ETFであれば面倒な一切の運用をプロが代わりにやってくれます。
あなたが仕事中も、遊んでいるときも、プロが一所懸命運用してくれるのです。

ほったらかしで資産が増えていくって素晴らしい!
投資信託とETFの違い

ここからは投資信託とETFの違いについて見ていきましょう。
以下に投資信託とETFの違いについてまとめてみました。
投資信託 | ETF | |
---|---|---|
◆上場 | 上場していない | 上場している |
◆売買される通貨 | 円 | 円・ドルなど |
◆買うところ | 証券会社・銀行・郵便局などの販売会社 | 証券会社を通じて証券市場で買う |
◆価格 | 1日1回算出 | リアルタイムで変動 |
◆コスト | 買付手数料(購入コスト) 信託報酬(保有コスト) 信託財産留保額(売却コスト) その他信託報酬以外の費用 | 売買手数料(購入・売却コスト) 信託報酬(保有コスト) 配当金に対する税金(税金コスト) 為替手数料(海外ETFの場合) |
◆いくらから始められる | 100円から始められる | 購入時の時価が必要 |
◆積立 | 自動積立できる | 自分で積み立てる |

こうやって見るとけっこう違いがあるね。

上場とコスト面について、深堀りしてみましょう。
大きな違いは上場しているかどうか
投資信託は上場している様々な株を詰め合わせた商品で、その投資信託そのものをひとつの株として上場させたものがETFです。
上場しているかしていないかで、中身は同じ株や債券の詰合せパックなのに大きな違いが生まれてきます。
株式の上場については、【株の『超』基本】株式投資の仕組みでわかりやすく解説しています。
ETFは個別株と同じ
ETFは上場しているので、個別株と同じ取引をすることになります。
個別株の取引
- 市場で自由に売買されることで株価がリアルタイムで変動する
- 需要と供給がマッチすれば買いたい価格で購入できる
コスト面での違い(VTIで比較)
投資信託とETFの運用にかかるコストを比較してみます。
違いをわかりやすくするために、中身が同じ投資信託とETFで比較してみましょう。
- 投資信託→楽天・全米株式インデックス・ファンド(通称・楽天VTI)
- ETF→バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(略称・VTI)
VTIは世界最大の運用会社である米国のバンガード社が運用する、全米のほぼ全株式に投資できる優良ETFです。
楽天VTIは楽天投信投資顧問が運用する投資信託で、「VTIに投資する投資信託」です。
楽天VTI(投資信託)とVTI(ETF)の運用コスト比較
楽天証券 のホームページを開くと楽天VTIの目論見書を見ることができます。
目論見書・・・購入する投資信託についての重要事項を説明した書類
目論見書には、楽天VTIの信託報酬は0.162%と記載されています。

ただし、実際にはこれ以外の費用がかかっています。
運用報告書を確認します。
運用報告書・・・投資信託の運用成績、現在の資産状況などが記載された書類

運用報告書の中の「1万口当たりの費用明細」を見ると信託報酬の他に、
- 売買委託手数料 0.02%
- その他費用 0.027%
が実際の運用ではかかっていることがわかります。
また運用報告書の信託報酬の欄には投資先のVTIの経費率0.03%の記載がないため、
- 0.179にさらに0.03を加えた0.209%
0.209%が楽天VTIの正確なコストとなります。
これに対してVTIのコストは経費率0.03%のみですので、大きな差があります。
経費率・・・ETFの純資産額に対する、信託報酬・売買委託手数料など運用のための費用の割合。
運用コスト比較は以下の通りです。

じゃあ投資信託じゃなくてETFを買う方がお得なのね!

ちょっと待ってね、はむちー。
もう少し検討する必要があるんだ。
楽天VTIとVTIの税金の比較
運用コストではETFの方がはるかに有利でした。
では税金を考慮するとどうでしょうか。
投資信託の楽天VTIは配当が出ても分配されることはなく、ファンド(投資信託)内で自動的に再投資に回されます。
対してETFのVTIは配当金が出たら自分で再投資に回すのですが、ここで一つネックになるのが税金です。
ETFは配当金が発生するため、配当所得に税金がかかるのです。
配当所得の税金は所得税と住民税で一律20.315%です。
税金が20.315%かかるということは配当金を再投資にまわす場合、配当の約8割しか再投資できないことになり、資金効率が大きく落ちます。
投資信託では発生しない税金コストが、ETFでは20.315%も発生してしまうのです。
税金コスト比較は以下の通りです。

ETFは8割しか再投資に回せない…。
なんだかもったいない気がするなぁ。

そうだね、はむちー。
そしてもうひとつ検討しないといけないことがあるよ。
為替手数料
さらには為替手数料についても考慮する必要があります。
VTIなどの米国ETFを購入する場合、円ではなくドルで購入する必要があります。
この際に発生するのが為替手数料です。
為替手数料は各証券会社によって違いますが、今回取り上げている楽天証券であれば、
- 1ドルあたり25銭
の為替手数料が発生します。
これは円建ての投資信託である楽天VTIであれば発生しない手数料です。
為替手数料は
と、証券会社によって違いがあります。

マネックスは無料…

投資では「どの証券会社で投資をするのか」も重要なのです。
為替手数料比較は以下の通りです。
関連記事:楽天・全米株式インデックス・ファンド、いくらから買える?
初心者に投資信託をおすすめする理由

ここまで投資信託とETFの共通点と違いを見てきました。
これをふまえて初心者に投資信託をおすすめする理由について解説していきます。
- 積み立てが楽&お得
- より少額から始められる
- 価格が1日1回しか変わらない
初心者に投資信託をおすすめする理由①「積み立てが楽&お得」
投資で最も確実に成果を上げる方法は毎月コツコツと積み立てていくことです。
投資信託の場合は分配金が出たときに自動的に再投資してくれるので積み立てが楽です。
ETFの場合は配当金が出た場合、自分でその配当金を再投資する手間がかかります。
そして前述した税金のコストの面。
ETFは配当の約8割しか再投資に回すことができません。
複利効果を考えると投資信託の方が断然おすすめです。
複利効果については、【投資で最重要な複利のチカラ】複利のチカラを味方につけて資産形成でわかりやすく解説しています。

自動で再投資してくれるのは安心だね。忘れちゃいそうだもんね。

投資信託の場合は、いい意味で運用してることを忘れるくらいなにもしなくていいんだ。
また投資の元本は大きければ大きいほど有利です。
元本が大きければ大きいほど、複利のチカラと掛け合わせることで資産の増えるスピードが跳ね上がります。
元本を増やす方法は、下記記事で著者がこれまでやってきた方法を解説しています。

配当金が目的であればETFがおすすめ
ETFは保有していることで配当金が支払われますので、定期的に現金収入を得ることができます。
おおよその目安として3000万円の運用で、1ヶ月あたり10万円の配当金が得られます。
配当金が投資の目的であれば、ETFがおすすめです。
中身は同じ投資信託とETFですが、そもそも投資商品としての目的が違うとも言えます。
初心者に投資信託をおすすめする理由②「より少額から始められる」
初心者に投資信託をおすすめする理由の2つ目は、投資信託の方がより少額から投資を始められることです。
ETFは購入時の時価の金額が必要です。
例えばVTIを購入する場合、2022年2月下旬の価格で1株あたり222ドルですので、これを仮に1ドル115円で換算すると25,530円必要です。
VTIを購入するために必要な金額
- 2022年2月下旬の株価は222ドル
- 為替レートは1ドル115円
- 1株購入するには25,530円必要
ETFを購入するにはその時の時価が必要ですが、投資信託であれば100円から積み立てを始めることができます。
また楽天証券であれば楽天ポイントで購入することもできます。
より少額から始められる点でも、初心者には投資信託の方がおすすめです。
初心者に投資信託をおすすめする理由③「価格が1日1回しか変わらない」
投資信託は1日1回、基準価額(投資信託の価格)が算出されます。
対してETFは通常の株と同じく市場で自由に売買されているので、価格(株価)はリアルタイムで変動します。
リアルタイムで変動する株価を見ると、どうしても「できる限り安く買いたい」という心理が働きます。
そうするとコツコツ積み立てていくのには邪魔なギャンブル脳が働きはじめてしまいます。
私達は着実にお金を増やしていきたいのですから、ギャンブルをするのではなく淡々と積み上げていくべきです。
投資とギャンブルの違いについては【投資はギャンブルじゃない】投資とギャンブルの違いでわかりやすく解説しています。
まとめ
それでは今回のまとめです。
- 投資信託とETF、初心者には投資信託の方がおすすめ
- 理由①積み立てが楽&お得
- 理由②より少額から始められる
- 理由③価格が1日1回しか変わらない
今回は投資信託とETFのどちらがより初心者の方におすすめなのかを解説しました。

初心者の方はぜひ、投資信託からはじめてみましょう!